朝日新聞社 先端医療情報イノベーション講座
はじめに
本寄附講座は、朝日新聞社から寄附された資金をもって設置され、先端医療の社会的展開に伴い、臨床ゲノム情報、血液・体液などのオミックス解析情報、精密画像診断情報、医療用電子カルテ情報などと、基礎・臨床一体型研究成果の統合的利活用によってより良い医療サービスを提供し未病の検出や早期診断、疾病の早期介入、再生医学などの先端医療の実現などへの期待が高まる一方、医療個人情報管理、特に個人の特定に繋がる危険性のある臨床オミックス情報の管理体制整備や患者個人の「知る権利」「知らない権利」など国際的にも国によって異なる考え方があり、我が国がどのような方向性で体制整備を進めるべきかを社会的側面と医学的側面から科学的に分析し方向性を定める必要があります。
目的
本講座は先端医療の実現に伴い生じる恩恵と問題点に関して、慶應義塾大学医学部と朝日新聞社のスタッフが相互に情報共有の場としてのセミナーを開催すると同時に、医学部の先端医科学研究の動向や新しい技術開発の現場に直接触れる機会を設けることによって、より良い近未来医療展開に資することを目的とします。
1.教育
先端医療の実現、ゲノム医療、マルチオミックス研究に伴い生じる恩恵と科学的・社会的問題点に関して、慶應義塾大学医学部と朝日新聞社のスタッフが相互の情報共有の場を講座期間中に設け、相互のスタッフにより、セミナーや関連領域のシンポジウムを開催します。
2.その他
先端医科学研究の動向や新しい技術開発の現場、および社会への情報発信の場に双方の構成員が直接触れる機会を設けることによって、慶應義塾大学医学部で展開している基礎臨床一体型医学・医療への社会的理解を深めるための活動を推進します。