iPSコンサルテーション外来とは?
外来予約は主治医を通してのFAX(03-5843-7084)でのみ受付しております。
慶應義塾大学病院の代表電話や外来予約センターへのお電話はご容赦下さい。
- iPSコンサルテーション外来は、主として神経・感覚器を中心症状とする遺伝性疾患(対象14疾患)に関して確定診断がなされている患者様にiPS細胞研究の現況について一般的な情報提供をさせて頂く外来です。
- iPSコンサルテーション外来は、治療を目的とするものではありません。
2006年に京都大学の山中伸弥教授が、世界ではじめて皮膚の細胞よりiPS細胞(からだを構成するさまざまな種類の細胞(脳、心臓、骨など)になることができる細胞)を作る技術を開発しました。この技術は改良され、現在では皮膚に限らず、血液を含むいろいろな細胞からiPS細胞を作成できるようになりました。
この技術を用いることで、今までは詳しく調べることが出来なかった細胞(胎児でしか存在しない細胞や、採取することが困難な脳や心臓の細胞など)について、調べることが可能となりました。
iPS細胞を用いた研究の医療応用としては、大きく分けて下記の2つのことが注目されています。
1つ目は、細胞移植治療です。我々は脊髄損傷患者さんに対して、iPS細胞より作成した神経の細胞を移植することで損傷した脊髄が機能するようになることを目指して研究をすすめています。現時点では、まだ患者様の治療を開始する段階には至っておりません。
2つ目は、病態解明や創薬を目指した研究です。iPS細胞をもちいて、「症状がどのようにして生じているのか?」を調べる研究(病態解明)や、効果的な治療法がない病気に対して治療薬を開発する研究(創薬研究)がなされることに多くの期待が寄せられています。とくに、遺伝性疾患という生まれつきの体質により症状をもつ患者様において、症状の原因となる遺伝子が分かっている場合、症状の成り立ちを解明する大きな手がかりがあると考えています。
昨今、iPS細胞を用いた病態解明や創薬を目指した研究が進むにつれ、遺伝性疾患を持たれる患者様より、疾患iPS細胞研究の現況を知りたいという相談を多く受けるようになりました。これまでは、どのようにiPS細胞研究が進めてられているかについて、説明する場が限られておりました。我々は先に挙げました遺伝性疾患について、患者様にiPS細胞研究の現況について一般的な情報を提供するために本外来を開設いたしました。
Q & A
- 受診費用はいくらぐらいですか?
- iPS細胞研究を行う医師が個々にお話を伺っており、自費診療となっております。初診料5640円に加えて、相談(コンサルテーション)の費用として3000円/30分を申し受けます。
- 希望をすれば、必ずiPS細胞作成を依頼できますか?
- 各分野の研究の進捗に応じて判断いたします。iPS細胞の作成や、それに基づく創薬研究には、人的にも金銭的にも限りがあります。そのため、まずは遺伝性疾患の患者さまよりのご協力を優先しています。大部分のケースではiPS細胞作成ができません。
- iPS樹立後の経緯について、知ることはできますか?
- 研究結果については、小さな事象の積み重ねで成り立ち、慎重な判断が必要となります。そのため、進捗を個々にお伝えすることはできません。まとまった成果が出た際には、慶應義塾大学を通して情報を発信していきますので、そちらを見守って頂けましたら有り難く思います。
- 病気について相談ができますか?
- 病気そのものの治療方針に関わる相談に応じることはできません。慶應義塾大学病院で病気についてご相談を希望される場合、現在受診している担当医より改めて慶應義塾大学病院の該当する科あるいはセカンドオピニオン外来(自費)に紹介して頂き、受診してください。iPSコンサルテーション外来から慶應義塾大学病院の各診療科への紹介はいたしません。