- わが国においてスパイクタンパクに免疫逃避変異とされるE484Kを有するR.1株が初めて検出されたのは、2020年11月である。われわれはR.1株が、少なくとも関東3都県で増加していることを示した。
- R.1株由来地は不明であるが、海外から流入したと考えられている。
- 国際新型コロナウィルスゲノムデータベースGISAIDに日本から登録されいてるウィルス株の配列情報と慶應義塾大学グループが解析した株の配列情報を統合して分析し、R.1株の分子系統樹を作成した。データを登録した検査室が位置する都道府県を図示すると、R.1株は関東地方のみならず、関西地方でも検出されている。
- R.1株はN501Y変異を持たない。2020年11月以来、R.1株は変異を蓄積しているが、感染性や病原性を増加させる可能性のある変異の発生は認められていない。
注)
わが国においてPCR陽性患者の一部のみのゲノム配列が決定されていることから、実際の患者数はこれより多いと考えられる。積極的にゲノムシーケンシングが行われ、ウィルス由来地が公開されている都道府県ほど、データ数が多く表示されているので解釈に際しては留意されたい。E484K変異という免疫逃避変異を含んでいるR.1株の流行状況をより正確に知るためには検出地情報の共有が望まれる。
わが国においてPCR陽性患者の一部のみのゲノム配列が決定されていることから、実際の患者数はこれより多いと考えられる。積極的にゲノムシーケンシングが行われ、ウィルス由来地が公開されている都道府県ほど、データ数が多く表示されているので解釈に際しては留意されたい。E484K変異という免疫逃避変異を含んでいるR.1株の流行状況をより正確に知るためには検出地情報の共有が望まれる。