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昨年夏から秋にかけて国内で起きた新型コロナウイルス感染症の「第2波」では、変異によって重症化を引き起こしにくくなったウイルスが主流だったとみられると、慶応大などのチームが分析結果をまとめた。現在の第3波で主流のウイルスは同様の変異を持たず、チームは「気を抜かず、対策を徹底すべきだ」と強調している。
チームの小崎健次郎教授(臨床遺伝学)らによると、第2波の昨年7~9月には、「B.1.1.284」と呼ばれるタイプのウイルスが国内感染者の6~8割程度を占めた。このウイルスの解析で、増殖する際に重要な酵素の働きが半減する変異を確認。慶応大病院を受診した感染者85人を対象に重症度を調べた結果、このウイルスに感染していた48人は症状が軽い傾向がみられたという。
10月以降の第3波では、この変異を持たない別のタイプが主流となっている。それぞれの感染力の違いは明らかになっていない。
東京農工大の水谷哲也教授(ウイルス学)の話「英国型や南アフリカ型など、ウイルス表面の突起に生じる変異に注目が集まりがちだが、今回の研究のようにあらゆる角度から変異を分析していくことが重要だ」